AD+D:Katsura Matsuzawa
P:Kota Yamada
PRD:JADE
ADD:Kanazawa Art Directors Club
金沢ADC審査会と作品掲載年鑑のディレクション。
(以下、図録あとがきより)
昨今、地方のクリエイティブ産業創出が叫ばれています。そう社会でいわれるずっと前。一地方出身者として東京の隅にいた私は、日本のバランスを取りたいような動物的な思いにかられ、東京から、縁もゆかりもなかった金沢に家族で移住した。まだ移住という言葉をあまり聞かなかった頃です。当時、多くの人にいわれました。「なんで?」と。その理由は自分なりにはあったし、時代が変わっていく中で都度意味を捉え直していくことが、もはや人生のテーマにもなっています。金沢市民となって、もうすぐ、人生でいちばん長く暮らす場所に。その間、さまざまな人たちと出会いました。金沢で出会い、交わり、影響しあい、何かしら生まれる。劇的な変化はなくても、時間をかけてほんの数ミリづつでも町や人に影響しているんだと、いま振り返ると感じられます。
インターネットやインフラの発達によって、都市圏と地方の情報格差は解消されつつあり、リモートの定着によって、どこにいても活動できる素地ができた。地域外との連携もやりやすくなり、場所に縛られない人々も増えています。いっぽう若者の人口流出は加速しているともいわれ、先端のクリエイティブの現場で求められること、そういった仲間や環境の中で仕事をすることなど、直接体験する価値は今でも大きいようです。都市圏のようなクリエティブ環境、社会からの認識という面では、厳しいことも多いですが、歴史と多彩な文化を要する金沢という町で、どこにもない私たち独自の在り方を模索することは、新しい価値を生み出すともいえないでしょうか。地域にとってますますクリエイティブの重要さは増しています。その中で、さまざまな人が行き交う金沢ADCという交差点が、地域のクリエイティブや未来に一筋の光をもたらしてくれることを願います。
この一年は「Package 金沢ADC」というコンセプトで、年間の活動すべてを包みこめるデザインをしました。KADCのグラフィティを施したテープをつくり、あらゆるところに貼りつけ、巻きつけた。さまざまなカタチのグラフィックの帯は、ADCから出てくる人やデザインの多様性を表現し、一年という時間までもパッケージングできたらと思い、つくりました。ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。




